ベレー帽といえば何と言ってもバスクベレー。バスクベレーの起源は中世期に聖職者が被っていた角帽(ビレッタ)が農民に普及したところから始りました。
バスクベレーと言いながら実はバスク地方のお隣、ベアルヌ地方が発祥地。当初は日、風、雨よけとして日常生活に欠かせないものとされていたのを同じピレネー山脈のバスク地方でも広く使われるようになりました。
ナポレオン三世がペイバスクを訪れた際に誰も彼もがベレー帽を被っていることからバスクベレー、と呼ばれるようになったとも言われています。
今日はバスクベレーとして名高いロレールの工房を訪ねてみました。
場所はフランスペイバスクのお隣、ベアルヌ地方。オロロン•サント•マリー(Oloron-Sainte-Marie) にあります(バイヨンヌから95km、車で1時間半)。
なんと創業は1840年。フランスで唯一残るベレー帽のブランドです。
(王室や世界各国軍にベレー帽を支給する格式高いブランドでもあるのです。)
ロレール製品はウール最高級のフランスメリノウールを100%使用しています。
まずは数台の日本製編み機によって最初のベレー帽が編まれます。この時点でベレーはかなり巨大です。
次に特殊大型洗濯機により8時間から11時間、町を流れるオロロン川の水を使用して洗われます。
川から直接引かれるこの水が素晴らしいベレー帽を生み出す秘密。飲料水になる前のピュアな源水です。
長時間洗われた後、帽子のサイズは随分小さくなりました。繊維が伸縮し雨をも通しません。
この先は職人さん達によって一つ一つの手作業、チェックが入ります。洗濯される間に付いた木の枝や小石、ウールの塊など、長年働く職人さんの眼にかかったら見逃されることはありません。
何段階もの厳しいチェックと手作業を経て美しいベレー帽がようやく出来上がります。
丁寧に時間をかけて一つ一つのベレー帽を作り続けるロレール。フランスの遺産であるEPVラベル(フランスが継承する優れた技能と先端技術の価値を認定するもの)を取得しています。
来年の夏にはグループによるアトリエ見学が可能になるということでベレー帽ファンにはうれしいお知らせですね。
フランスペイバスク、サン•ジャン•ド•リュズのメイン通りにもHÉRITAGE par LAULHÈRE というロレール専門店が去年12月にオープンしたばかりです。
様々な色と形を試してマイ•ベレーを見つけてみてはいかがでしょうか。